乞う表現統一再び

以前、温水洗浄便座のリモコンに関して表現の統一を話題にしたが、今回はコーヒー飲料のラベルの表現を話題として取り上げる。

普段はブラックなのだがときどき砂糖も甘味料も入っていないカフェラテが飲みたくなることがある。しかし、買おうとしてラベルを見るといつも迷うのである。次のボトルのラベルを見てほしい。

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この中で砂糖も甘味料も使っていないカフェラテがどれだかお分かりになられただろうか。ラベル上の表現で目に着く言葉は次のとおりである。

  • 1は「ビター」
  • 2、3、4は「甘くない」
  • 5は「砂糖不使用」
  • 6は「THE ZERO」

どれも大丈夫そうな気がするが、実際は1と2には原材料として「砂糖」が使われている。また、4は原材料として「トレハロース」が使われている。トレハロースが甘味料であることは筆者も知っている。さらに、5は「デキストリン」、6は「食物繊維(難消化性デキストリン)」が原材料欄に記載されている。明示的に甘味料とは記載されていないが、デキストリンをインターネットで調べると甘味を付けるために使われているようなのでこれも甘味料と考えていいであろう。砂糖も甘味料も入っていないのは3だけである。

メーカーのマーケティングの方々は、「ビター」、「砂糖不使用」、「ZERO」などと書いてあれば、消費者が砂糖や甘味料は含まれていないと判断する可能性を考えなかったのであろうか(考えてもあえて無視したのかもしれないが…)。

さて、「甘くない」が3つの商品で使われているが、原材料は「砂糖入り」、「砂糖及び甘味料なし」、「甘味料入り」とバラバラである。これはメーカーが違うと同じ表現の意味が違うということである。これはやめてほしい。日本のメーカーはこのように他のメーカーが同じ表現を別の意味に使っても気にしないことが多いように思われる。消費者のことなんか考えていないのではないか。原材料を暗示するような表現は業界で統一して欲しいものである。

ちなみに砂糖及び甘味料不使用のコーヒーの呼び方は「ブラック」または「Black」で統一されているようである。さすがにブラックコーヒーに対しては独自の表現は使えないのだろう。