なにかおかしい!?

京王線の電車でおもしろい安全表示を見つけた。

車両の端の車いすなどのために椅子が撤去されたスペースの窓に貼られた横20cmくらいの表示である。これを見て心に何かが引っかかった。一般注意記号があるので乗客に注意してほしいことを書きたかったとは思うが、右のイラストが何を伝えようとしているのかが今ひとつピンとこない。小さな文字で「手すりに手を入れないで下さい。」と書いてあるのに、イラストは手すりに手を入れた状態に見える。テキストで禁止している行為をイラストでは許しているのだ。禁止するならせめてイラストに赤の斜線を追加して欲しい。

しかしこれでいいのだろうか。そもそも手を入れなければ手すりを持つことはできない。持つことのできない手すりは無用の長物である。なぜ手を入れることを禁止しているのであろうか。そこで勝手に考えてみることにした。

電車の走行中にイラストのような状態をキープしていることは、背の高さが限られた範囲の人以外は無理である。想像ではあるが、その限られた人が過去にこのような状態で手を入れていたときに電車が急停止するなどして、体制が崩れたのに手が抜けなくて怪我をしたことでもあったのであろうか。そうだとしたら熱きに懲りてなますを吹くがごとき表現である。

私なら、イラストに斜線を入れたうえで、テキストを「手すりを使うときは、しっかりと握ってください。」とする。握ればイラストの状態には絶対にならない。テキストを禁止にする必要はない。

斜線ではわかりにくいと考えるのなら以下の禁止標識(禁止図記号)を使ってもよいと思うが私の好みではない。わたしなら手すりを握った状態のイラストを描いて禁止はしない。