テレビでタモリ倶楽部を見ていたら次の画面が目に入った。
番組の意図とは関係なくオノマトペの使い方が気になった。オノマトペはわかりやすいのだろうか。そこで代表的な家電各社の冷蔵庫のマニュアルで温度変化による軋み音の表現を調べてみた。
シャープ 「バキッ」「パキッ」「ビシ」「ボコッ」
東芝 「ピシッ」「ミシッ」
パナソニック 「ビシッ」「バシッ」
日立 「ピシッ」
三菱 「ピシッ」
冷蔵庫の軋み音だけで8種類のオノマトペ表現があった。今の時代は各社インターネット経由で音が聞けるようになっている。
シャープ:https://www.youtube.com/embed/qm-Q9hrlLaw?rel=0
東芝:https://faq-toshiba-lifestyle.dga.jp/euf/assets/faq/common/files/refrigerators/tfaq/0008.mp3
パナソニック:https://channel.panasonic.com/embed/17881/400/225/
日立:https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/rei/manual_movie/sound/2017/rx.html
三菱:https://www.youtube.com/watch?v=Hh4SWuDOfFo
三菱だけは一つの動画ですべての音が聞けるが目的の音が聞けるまでが長い(3分54秒あたりから)。東芝以外は動画が見られるが、東芝は動画なしで音だけが聞こえる。これは私が見つけたサイトだけかもしれないので、これについての評価はしない。
すべて聞いてみたが、どのサイトでもオノマトペ表現から想像した音は私には聞こえなかった。皆さんも試していただきたい。
私が所有しているのはパナソニックの冷蔵庫である。サイトで再現される軋み音は、私には「コッ」という風に聞こえる。しかし、そのような表現はマニュアルのどの現象の音としても書かれていない。私の場合、実際に冷蔵庫から聞こえた音から必要な情報にたどり着くことはできないことになる。
他社の音も聞いてみたがどの音もマニュアルに表現されたオノマトペから想像する音には聞こえなかった。私の想像力や感性が一般的ではないのであろうか。実は私の持っている一般常識では軋み音をオノマトペで表すと「ピシッ」なのである。どこでこのような常識を身に着けたのかは定かではないが、私がマニュアルを作るときに軋み音をオノマトペで表す場合は「ピシッ」になってしまうことは想像に難くない。困ったことである。
マニュアルで音を表すのにオノマトペを使うのは正しいことであろうか。なぜオノマトペを使うのか。一般的にオノマトペを使うと表現力が向上したり訴求力が増すと言われる。プレゼンの最中にオノマトペを使えば聞いている人の関心を引き付けることができる。しかし、これらはアナログな世界での話である。
マニュアルは正確でなければならない。しかし、オノマトペには正確さという側面はない。概念説明などでオノマトペを使うのは時には効果的だとは思うが「こんなときには」や「故障かなと思ったら」に使うのは間違いではないだろうか。考え直す時が来ているような気がする。