このページの内容はIEC/IEEE 822079-1では安全表記、ANSI Z535.6-2011(R2017)ではSupplemental Directives(補助的指示)と呼ばれます。
日本語版のページ最上部のスミアミ部分は一般的には見出しと判断されるでしょう。見出しの先頭にある三角形の記号は、ISO 3864シリーズではGeneral warning sign(一般警告標識)、ANSI Z535シリーズではSafety Alert Symbol(安全注意記号)と呼ばれます。
一般警告標識に続く「警告」はシグナルワードと呼ばれるテキスト情報です。シグナルワードには「警告(Warning)」以外に「危険(Danger)」と「注意(Caution)」がISOとANSIの規格で定義されています。さらにANSI Z535シリーズでは「注記(Notice)」が定義されています。
一般警告標識とシグナルワードの組合わせを罫線で囲んだものはISO 3864-2ではHazard severity panel(潜在危険重大度パネル)、ANSI Z535.6ではSignal Word Panel(シグナル・ワード区画)と呼ばれます。(Panelの和訳が異なるのは日本規格協会から発行されている両規格の翻訳版に従ったためです。)
潜在危険重大度パネルは製品安全パネルに組みこむことができるとISO 3864-2には書かれています。ANSI Z535.6ではシグナル・ワード区画は安全メッセージの先頭に置くと書かれているので、米国向けのマニュアルであればページの見出しにシグナル・ワード区画は使えません。ISO 3864-2は製品安全パネルの規格です。マニュアルの見出しの先頭に潜在危険度パネルをつけてはいけないという記述はないので日本向けマニュアルでは問題がないという解釈ができます。IEC 82079-1にもこれに関する記述はありません。ただし筆者個人としては、使いたくありません。
英語版には以下の通りページの見出しはありません。
IEC 82079-1:2019には、安全表記は使用情報の冒頭に節(clause)又は項(section)にまとめて提供しなければならないと書かれています。左段の情報はすべて安全表記と解釈できるのですが、この見出しが左段全体につけた見出しとは解釈できません。この点に関してはIEC/IEEE 82079-1:2019の要求を達成しているとは言い難いのです。しかし、ここに書かれたのが安全情報であることは一目瞭然なので、私は大きな問題とは考えていません。
最初の見出しは白抜きのWARNINGです。WARNINGはシグナルワードですが、一般警告標識との組み合わせではないので、見出しとして使うことに問題はありません。